遺産分割協議の当事者とその方法 司法書士

遺産分割協議の当事者とその方法

被相続人の一身専属的なものを除き、被相続人の財産に属した一切の権利義務(相続財産)は相続人の承継されます。

 

相続財産のなかには、土地や建物のような不動産、自動車、美術品のような動産、預貯金のような債権等の積極財産だけでなく、借金のような消極財産(債務)も含まれます。

 

相続人が数人いる場合、相続財産は、各相続人がその相続分に応じて共同して相続します。

 

このように、数人の相続人が相続財産を共有することを「遺産共有」と呼んでいます。

 

この一時的な遺産共有関係を解消して、相続財産の最終的に帰属者を確定させる手続きが遺産分割です。

 

遺産分割には、被相続人が遺言により遺産分割の方法を指定する指定分割、相続人全員の協議による協議分割、家庭裁判所による調停分割、審判分割の4種類があります。

 

遺産分割協議

共同相続人は、遺言により遺産分割が禁止されている場合を除き、その協議により遺産の全部又は一部を分割することができます。

 

遺産分割の当事者

遺産分割協議には、共同相続人全員が協議に参加する必要があります。
一部の相続人を除外してなされた遺産分割協議は無効になります。

 

相続人のほか、次の者も遺産分割協議の当事者になります。

 

・包括受遺者
包括受遺者は、相続人と同一の権利義務を有します。(民法990条)

 

・相続分の譲受人
相続分の譲り受け人も遺産分割協議に参加することができると解されています。

 

・不在者財産管理人

不在者財産管理人に対して家庭裁判所で財産管理人は不在者のための遺産分割協議をなすことを許可する旨の審判があった場合には、財産管理人は遺産分割協議に加わることができる。(昭和39年8月7日民三第597号第三課長回答)

 

・破産管財人

相続人が相続開始後に破産手続開始決定を受けた後、その破産管財人が裁判所の許可を得て、遺産分割協議に参加することができ、この遺産分割協議の結果に基づく相続登記の申請には、遺産分割協議書(破産管財人の署名押印がされているもの)等の一般的な相続を証する情報のほか、裁判所の許可があったことを証する書面の提供を要する。(平成22年8月24日民二第2078号第二課長回答)

 

・未成年者の親権者(法定代理人)
・被後見人の後見人(法定代理人)
遺産分割が利益相反になる場合

 

・委任による代理人

遺産分割協議を委任代理人により行わせ、その協議書を添付して(相続)登記の申請があった場合、受理して差し支えない。遺産分割協議書には、代理権限を証する書面のほか、署名押印した代理人の印鑑証明書をも添付すべきである。
(昭和33年7月9日民事甲第1379号民事局長心得回答)

 

遺産分割協議の方法

現物分割
不動産は相続人A、預貯金は相続人Bといった具合で、遺産を現物のまま分割する方法です。

 

代償分割
特定の遺産を相続人の1人又は数人が取得し、その代償として他の相続人に対して相続分に応じた代償金を支払う分割方法です。

 

換価分割
遺産を売却し、それによって得た代金を相続分に応じて共同相続人で分配する分割方法です。
不動産を換価分割する場合には、一度共同相続人全員による相続登記を行った後に、売買による所有権移転登記を申請しなければならないとされています。
【関連記事】換価分割による買受人への所有権移転登記

 

共有分割
遺産を新たに共同相続人の共有とする分割方法です。
共有分割を行った後に、共有関係を解消するには、遺産分割ではなく、共有物分割の手続によるとされています。

 

 

 

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