未成年者の相続人がいる場合の相続登記
令和6年(2024年)4月1日より、相続により不動産を取得した場合、相続登記(不動産の名義変更手続き)の申請が義務となります。
ここでは、相続人の中に未成年者がいる場合、相続登記の申請にあたり、どのような手続きが必要になるのかを相続登記の専門家である司法書士が解説致します。
未成年者とは
未成年者とは、18歳未満の者をいいます。
年齢18歳をもって、成年とする。(民法第4条)
従前は、成年年齢は20歳でしたが、平成30年6月13日、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げること等を内容とする民法の一部を改正する法律が成立し、令和4年4月1日から施行されました。
遺産分割協議
相続が開始すると、被相続人の遺産(相続財産)は、法定相続人が複数いる場合、その法定相続分に応じて共有することになります。この状態を遺産共有といいます。
この遺産共有を解消して、個別具体的な財産を相続人のうち誰が取得するのかを決定することを遺産分割といい、共同相続人の話し合いで決定することを遺産分割協議といいます。
【参考】遺産分割協議の当事者とその方法
相続財産の中に不動産がある場合、遺産分割協議により不動産を誰が相続するのかを決定し、不動産を取得することになった相続人が相続登記を申請することになります。
(なお、特定の相続人に不動産を相続させる旨の遺言があれば、遺産分割協議を経ることなく、遺言により不動産を相続した特定の相続人は、相続登記を申請することができます。)
未成年者が契約等の法律行為を行う場合、親権者等の法定代理人が未成年者に代って法律行為を行います。
遺産分割協議も法律行為に該当しますので、相続人が未成年者の場合、遺産分割協議は、原則未成年者の法定代理人(親権者又は未成年後見人)が未成年者に代って行うことになります。
未成年者の遺産分割協議は原則その親権者が行いますが、親権者が未成年者に代って遺産分割協議を行えない場合があります。
それは、遺産分割協議が『利益相反行為』に該当する場合です。
利益相反行為に該当する遺産分割協議の典型は、当該相続につき、親権者も相続人の場合です。
被相続人がAで、相続人がその妻Bと未成年子である子Cの場合
このように、遺産分割協議が利益相反行為に該当する場合、親権者は、遺産分割につき未成年者の代理人として遺産分割協議を行うことができないので、家庭裁判所に特別代理人を選任してもらう必要があります。
特別代理人選任申立が必要なケース
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相続人が妻及び未成年者である子(1名)の場合
【左図ケース1】
親権者である妻は、長男(9歳)のため、家庭裁判所に特別代理人の選任を申立てる必要があります。
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相続人が妻と未成年者である子(2名)の場合
【左図ケース2】
妻は、長男(9歳)と長女(5歳)のために、家庭裁判所に、それぞれ別の特別代理人の選任を申立てる必要があります。
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相続人が後妻と前妻の未成年者の子(2名)の場合
【左図ケース3】
親権者(前妻)は、未成年者のうち、どちらか一方(長男又は長女)の代理人となれるが他の一方は特別代理人の選任が必要
(前妻が長男及び長女双方の代理人となると長男又は長女どちらのか利益が害される蓋然性があるため)
遺産分割協議の先送りについて
以上、説明の通り、相続人の中に未成年者がいる場合、遺産分割協議を行うには、特別代理人の選任を申立てなければなりません。
しかしながら、特別代理人の選任の申立てを行ってまで、直ちに遺産分割協議を行う必要がない場合もあります。
このような場合、遺産分割協議を行わないことも考えられます。
未成年者が成年に達してから遺産分割協議を行うのであれば、特別代理人の選任を申立てる必要はありません。
ただし、令和6年4月1日より、相続開始を知った時から原則3年以内に相続登記の申請が義務化されることにより、相続財産の中に不動産がある場合、相続登記をしなければならないことになりました。
未成年者が成年に達するまで、遺産分割協議を留保したいが、未成年者が成年に達するまで3年以上の期間を要する場合で遺産分割協議を経ることなく相続登記の申請義務を履行する方法として、法定相続分による共同相続登記を申請する又は相続人申告登記の申出を行う方法があります。
詳細は
【参考】法定相続分による共同相続登記
未成年者相続人がいる場合の相続登記
相続登記の添付書類
相続登記に必要な一般的な添付書類の他、特別代理人選任審判書謄本及び特別代理人の印鑑証明書が必要になります。
一般的な相続登記の必要書類については
【参考】相続登記の必要書類
遺産分割協議書には、特別代理人が記名押印(又は署名押印)します。(押印は実印)
相続人
住所 名古屋市中区・・・
氏名 ○○ ○○
上記特別代理人
住所 名古屋市中区・・・
氏名 △△ △△ 実印
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