遺産分割協議後に発見された不動産の相続登記

この度、遺産分割協議後に発見された不動産の相続登記を申請致しました。
(実際に当事務所が受任し、とある法務局に申請致したものです。)

 

 

被相続人が所有していた不動産は、固定資産税納税通知書(課税明細書)や名寄帳等により調査しますが、固定資産税が課税されない不動産(非課税不動産)については、納税通知書や名寄帳に記載されないことがあります。

非課税不動産
・墓地
・公共の用に供する道路、運河用地及び水道用地
・公共の用に供する用悪水路、ため池、堤とう及び井溝
・一定の保安林に係る土地
・課税標準額が30万円に満たない土地
・課税標準額が20万円に満たない家屋

 

 

今回、遺産分割協議後に発見されたのは山林です。

 

評価額(課税標準額)が30万円に満たない非課税不動産であったため、固定資産税納税通知書には記載されておらず、遺産分割協議の当時、相続人が把握していなかった不動産です。

 

このような遺産分割協議当時、把握できなかった不動産が後日発見された場合、相続登記はどうすればよいでしょうか?

 

 

今回のケースでは、後日判明した相続財産に関する条項が遺産分割協議書に盛り込まれていたため、新たに遺産分割協議を行うことなく相続登記を申請することができました。

 

相続財産の調査を行ったものの、被相続人が所有していた不動産のすべてを把握することができないことがあります。

 

遺産分割協議の当時、把握できなかった相続財産がその後判明した場合、当該相続財産の分割について疑義が生じないように、遺産分割協議書には、協議後に発見された相続財産の分割についてどうするのかに関する条項を盛り込むことがあります。

 

今回のケースでは、遺産分割協議書に、「本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、○○がこれを取得する。」との記載がありました。

 

これにより、新たに遺産分割協議書を作成することなく、この遺産分割協議書を添付することにより相続登記を申請することができました。

 

なお、遺産分割協議書にこのような条項がない場合、または「本協議書に記載の遺産又は後日判明した遺産については、相続人間においてその分割につき別途協議する。」との条項がある場合に相続登記を申請するには、共同相続人全員で新たに発見された不動産につき遺産分割協議を行い、当該遺産分割協議に係る遺産分割協議書を作成する必要があります。

 

遺産分割協議書に「本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、○○がこれを取得する。」と記載することのメリットは、別途遺産分割協議を行うことなく(新たに遺産分割協議書を作成することなく)、この遺産分割協議書を添付することにより相続登記の申請ができることです。

 

なお、この遺産分割協議書に相続人が押印した印鑑に係る印鑑証明書の添付が必要になります。
この印鑑証明書については、有効期限はないので古い印鑑証明書でも差し支えありません。

 

遺産分割協議書作成後に相続人が死亡したり、相続人が実印を改印した場合等、この遺産分割協議書に相続人が押印した印鑑に係る印鑑証明書が取得できないことがあります。

 

【参考】相続登記における印鑑証明書について

 

このような場合、相続人等の作成に係る遺産分割協議書が有効に成立した旨の証明書を提出しなければなりません。

 

このような事態を避けるためには、他の相続人の承諾を得た上で、印鑑証明書を預かることも一つの方法になります。

 

 

相続財産の調査・把握の重要性

相続登記の申請の際に法務局に提出する遺産分割協議書等の登記原因証明情報には、申請に係る不動産を特定するのが原則です。

 

申請に係る不動産を具体的に特定、記載しない登記原因証明情報の提供による登記の申請は、例外的な取扱いと言えます。

 

今回、遺産分割協議後に発見された相続財産が、資産価値が高くない山林でしたので特に問題にはなりませんでしたが、後日資産価値が高い相続財産が発見された場合、遺産分割協議書に「本協議書に記載のない遺産及び後日判明した遺産については、○○がこれを取得する。」との記載があったとしても、遺産分割協議の有効性について相続人間で紛争になることも考えられます。

 

よって、遺産分割協議を行う前提として、相続財産を洩れなく把握し、遺産分割協議書には、相続財産を特定しておくことが重要になります。

 

 

相続登記その他相続に関するご相談・ご依頼

お電話によるお問い合せ

052-848-8033

 

メールによるお問い合せ

 

相続登記の相談室
〒467-0056
名古屋市瑞穂区白砂町二丁目9番地 
瑞穂ハイツ403号
運営事務所 司法書士八木隆事務所

 

このページの先頭へ戻る