遺産分割の方法の一つである換価分割とは
換価分割とは
遺産の全部または一部を売却して、その売却代金を法定相続人で分配する分割方法です。

 

被相続人名義の不動産を売却して、売却代金を法定相続分に応じて相続人に分配する場合、法定相続分による相続登記を行います。
相続した不動産を相続人が売却する場合、被相続人名義のままでは、売却することができませんので、その前提として相続登記を行うことになります。

 

例えば、相続人が子A、子Bおよび子Cであれば、子A3分の1、子B3分の1、子C3分の1の割合で相続登記を行います。
この場合、相続不動産の売主は、子A、子Bおよび子Cとなります。
相続不動産を売却して、売却代金を法定相続分に応じて分配する場合、このように法定相続分による相続登記を行えばいいのですが、ケースによっては法定相続分による相続登記を行ってしまうと、売却時に不都合が生じる場合があります。
例えば、相続人が多数の場合や、相続人の中に遠方に住んでいる方がいたり、相続人の中にご高齢の方がいたりする場合です。
法定相続分による相続登記を行うと、相続人全員が売却時の売主になりますので、売主として売買契約書にサインしたり、決済時に立ち会ったりしなければなりませんので、相続人の中には売主にならない方が望ましい場合があります。
相続人全員が売主になると不都合が生じる場合、便宜、相続人のうちの1名を登記名義人とする相続登記を行うことがあります。
これであれば、登記名義人となった相続人が代表相続人として、当該不動産を売却することになりますので、他の相続人は売却には関わらなくて済みます。
便宜代表相続人が不動産を売却して、他の相続人に売却代金を分配した場合、それは贈与に該当しないのかといった疑問が生じます。